株式会社テンツーイヤー
有限会社ごきげんさん

Episode 01

Uさんとの出会いは、役所の方からの紹介でした。
当時、小牧久美子(テンツー取締役、ごきげんさんサービス提供責任者)が、地域の方の困りごとを解決するために足しげく役所に通い、行政のサポートを頂きながら問題解決に取り組んでいました。
そのつながりからUさんを紹介して頂き、介護保険サービスを提供することになりました。
Uさんは最初のころは悪態をつくこともよくありましたが、テンツーイヤーのスタッフの対応に少しずつ心を開いてくださり、息子さんの話をしてくれるようになりました。
その息子さんはUさんが作った借金を一身に背負い、母親に迷惑が掛かるといけないからと、一人路上生活をされていました。
ある日、Uさんの体調が悪くなり入院することになりました。
今後のことも考えて、身寄りのないUさんをサポートしてもらえるよう、息子さんに相談することに。
息子さんの居場所はUさんもわからなかったのですが、ホームレスを支援するセンターの方が居場所を把握されていて、一緒に伺うことになりました。
場所は淀川の河川敷近くで、最初お会いしに行くときは、センターの方に長靴を手渡され茂みの奥に案内されました。
息子さんともコンタクトが取れ、息子さんも行政のサポートを受けられるよう弊社で尽力し、晴れて数十年ぶりに親子水入らずで生活をスタートすることが出来ました。
お二人とも、すでにお亡くなりになりましたが、最後まで感謝を述べられる姿に、この仕事に対する誇りと社会的使命を感じることが出来ました。

Episode 02

九州から中学卒業後に大阪に上京してきたYさんは、長年勤めあげた会社を怪我が原因で解雇されました。独り身であったYさんは、高齢のため再就職も難しく、やがて住む家も追われ路頭に迷うことに。
弊社とYさんの出会いは、そんな苦境の時期でした。
Yさんの生活を何とかしたいと様々なところに相談し、なんとか生活環境の確保ができ、人生の再スタートを切ることが出来ました。その後、九州のご家族とも連絡が取れ、数十年来、行方不明で心配していたお姉さんからも弊社に御礼のお電話を頂き、ご家族ともお付き合いが始まりました。
健康面で不安のあったYさんは、リハビリ期間を経て体調を回復され、数十年ぶりに故郷の九州に帰省することが出来ました。
Yさんはすでにお亡くなりになりましたが、あのまま野垂れ死にしていたら、寂しい人生になっていたのを助けてもらったと生前おっしゃっておられました。
今でも、故郷から戻られたときにうれしそうなYさんの笑顔を忘れることはできません。

Episode 03

石垣島出身のYさんは仕事の関係で大阪に出てこられた方です。
仕事で大変な苦労をする中、精神の病気を患い、ごきげんさんの障害福祉サービスをお受けになられました。
弊社のサービスも入り、生活も安定してきたおかげで、心に余裕が生まれ、しばらく穏やかに生活を送っていらっしゃいましたが、長男であるYさんは、ご高齢になるご両親のことが心配になりました。
Yさんは意を決して、沖縄へ帰ることに。
むこうでも同じサービスが受けられるよう沖縄の行政と連携を取り、手続きに奔走しました。
帰省後も、ちゃんとサービスを受けて生活が送れているか心配だったので、スタッフと一緒に沖縄のYさんのご実家を訪問しました。
Yさんも大阪にいる時と変わらず過ごされていることに、スタッフ一同、安心しました。
ご家族やご本人からも、そこまでしてくれるのかと感謝のお言葉を頂戴したときに、介護の仕事はご利用者様の命を預かるだけではなく、日常業務では見過ごされがちな″心″と向き合う使命があるとあらためて気付かされました。